ダイナペニア祭り in Pubmed2013 (1日目)
お久しぶりでございます!!
ダイナペニア祭り予告から早3週、重い腰をようやく上げてみました(><;)
てことで、今回は「dynapenia祭り」と称して、ただひたすらにPubmedで「dynapenia」と検索してヒットしたものを、今回もリハ栄養研究会会長であります、若林先生のブログを紹介させていただきながらまとめる勉強の会としますm(__)m
ちなみに。。。
各文献検索サイトでのヒット件数を比較してみました。(H25.1月末現在)
まずは今回の「ダイナペニア(dynapenia)」
?J-stage
「ダイナペニア」1件
?Google scholar
「ダイナペニア」1件
「dynapenia」 1,520件
?PubMed
「dynapenia」 19件 ←←←今回はここのやーつをまとめます。
ちなみにPart.2 ダイナペニアと比較して・・・
「ミオペニア(myopenia)」
?J-stage
「ミオペニア」0件
?Google scholar
「ミオペニア」1件
「myopenia」38件
?PubMed
「myopenia」3件
続いて、出ました!!「サルコペニア(sarcopenia)」
?Google scholar
「サルコペニア」161件
「sarcopenia」 20,200件
?PubMed
「sarcopenia」1,657件
さすがは我らが(!?)サルコペニア!!
ヒット数多い!!!
でした。。。
それでは、『ダイナペニア祭り in Pubmed 2013』 勝手にスターーーーット!!!
※注
恥ずかしながら十分な英語読解能力が備わっていないため、翻訳を書くわけではなく、あくまでも個人的まとめとしてポイントポイントでどんな内容の文献なのかをざっくりまとめていきますので、その点ご了承くださいm(_ _)m
そして、リハ栄養研究会会長の若林先生のブログにて紹介されているものについては先生のブログを紹介させていただくこととしますm(_ _)mm(_ _)m
そしてそして、この記事をまとめながら19件やるのがかなーーり労力がいることが判明したので、3daysぐらいに分けて、ネタ切れ防止もかねて、小出しにしていきたいと思います
ますは若林先生のブログでも紹介されているものを中心に6件投下
おぉぉらぁぁぁぁぁぁぁ
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dynapenia PubMed記事
? Frailty and Protein-Energy Wasting in Elderly Patients with End Stage Kidney Disease.
Kim JC, Kalantar-Zadeh K, Kopple JD.
J Am Soc Nephrol. 2012 Dec 20.
・Abstractのみ
・タイトル:末期腎臓疾患を有する高齢者における虚弱と蛋白質・エネルギーの消耗について
・内容:高齢のCKD患者のほとんどが虚弱であり、それが蛋白質・エネルギー消耗、サルコペニア、ダイナペニア、その他の合併症などに関連している可能性があり、その病態・状態に応じた多面的なアプローチ・管理が必要である。
・感想:納得。うちでも透析やってるし、リハとして・リハ栄養としてできることはまだまだあるはず!外来透析患者さんとかリハ対応必要な人多そうだしな。。。
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Mitchell WK, Williams J, Atherton P, Larvin M, Lund J, Narici M.
Front Physiol. 2012;3:260. doi: 10.3389/fphys.2012.00260. Epub 2012 Jul 11.
・全文あり。
・タイトル:サルコペニア、ダイナペニア、加齢がヒト骨格筋の大きさと筋力に与える影響
・内容:加齢に伴い骨格筋は弱く・小さくなるが、そのスピードは弱くなる方が速い。加齢に伴う筋肉の質の変化が、横断面積ごとの筋力(筋発揮)を減少させる。サルコペニア対策としてのレジスタンストレーニングの有用性はエビデンスとしてある。
・感想:長い!全文読もうとしたら大変。。。「muscle quality」とか「筋の質的な変化」とか前記事に書いた言葉たちが出てきた!リハとしてはトレーニングの有用性はあるものの、具体例などが不十分のため、その辺を把握して個々の患者様・利用者様で対応できるようにしていく必要があるなー。
(以下、引用)
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サルコペニアよりもダイナペニア(加齢による筋力低下)のほうが、高齢者 wellbeing(健康、幸福、福祉)への影響が大きく、サルコペニアとダイナペニアではかなり進み方が異なることがわかってきています。muscle quality(筋肉の質:横断面積あたりの筋力)の概念も重要です。
筋肉量低下は男性で年0.47%、女性で年0.37%です。75歳の高齢者になると、女性で年0.64-0.70%、男性で年0.80-0.98%の筋肉量低下を認めます。
一方、筋力低下の進み方はより速いです。75歳の高齢者では、男性で年3-4%、女性で年2.5-3%の筋力低下を認めます。つまり、高齢者の筋力低下は筋肉量低下より2-5倍速く、障害や死亡のリスクは筋力低下のほうがより高いです。
狭義のサルコペニア(加齢による筋肉量低下のみ)で考えると、ダイナペニアは別の概念になります。一方、広義のサルコペニア(すべての原因による筋肉量低下、筋力低下、これらによる身体機能低下)には、ダイナペニアも含まれます。
研究上は、狭義のサルコペニアとダイナペニアで考えたほうが進めやすいと思いますが、リハ栄養の臨床上は広義のサルコペニア(すべての原因による筋力低下を含む)で考えたほうが、原因追究や対策立案が行いやすいと考えます。
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? Dynapenia and aging: an update.
Manini TM, Clark BC.
J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2012 Jan;67(1):28-40. doi: 10.1093/gerona/glr010. Epub 2011 Mar 28.
・全文あり
・タイトル:ダイナペニアと加齢:up date
・内容:研究論文ではなく、総説のようなもの。
加齢に伴う筋肉量の減少(サルコペニア)と筋力(muscle strength and power)低下は部分的にしか関連しなかったというこれまでの研究結果を元に、筋肉量減少と筋力低下はそれぞれ独立したイベントであるとし、筋力低下を「dynapenia」としてその概念は診断アルゴリズムなどを提案している。
筋力は筋肉量のみに依存しないこと、筋力低下と筋肉量減少のタイミングの違い、筋肉量を維持〜増加させても加齢に伴う筋力低下は防げないことを挙げ、筋力低下は筋肉量よりも加齢に伴う中枢神経系の問題や骨格筋自体の筋発揮能力の低下が関連しているのではとのこと。
また、臨床上重要である移動能力・身体機能などはやはり筋肉量よりも筋力が強く関連しており、死亡リスク(死亡率)もまた筋肉量減少(サルコペニア)より筋力低下(ダイナペニア)と関連していた。
加齢に伴う神経-筋機構の活性低下が身体機能に関連しており、それは大脳皮質(一次運動野、運動前野)や脊髄レベルでの広範囲な量的・質的変化が関与している。
筋収縮に関連する細胞レベルの問題(イオンチャネルの減少やそれに関連するタンパク質などの減少などなど)も加齢に伴う筋力低下に影響している。
・感想:前回の記事を後押しする(?)ような内容で、筋肉"量"よりも筋力("質")が重要なんだということかな。中でもやはり加齢による神経レベル・脳-脊髄レベルでの変化が筋力低下に影響しているというあたりはPTとして興味深いっす!
ただ、現在のサルコペニアの定義には筋力低下も含まれるため、結果的には神経は脳レベルでの変化がサルコペニアに影響しているということにもなるなーと。つまりは、筋肉量減少と筋力低下はイコールじゃないけど、サルコペニアの定義によっては仲間ですよーと。
なんかややこしや。。。
→若林先生ブログ記事あり(2011年5月11日)
(以下、引用)
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この著者たちはサルコペニア=加齢による筋肉量減少、ダイナペニア=加齢による筋力減少と使い分けるべきで、サルコペニアとダイナペニアは別の概念と提案しています。
この論文では図のようなアルゴリズムでダイナペニアを診断することを提示しています。握力と膝伸展筋力を重視しています。その上で原因を神経原性と筋原性にわけて考えます。このアルゴリズムの詳細は下記のHPを参照してください。意見などの投票や投稿もできます。私も投票してみました。
http://dynapenia.blogspot.com/
確かに一定の関連はあるにせよ、筋肉量低下=筋力低下ではありません。筋肉量と筋力はそれぞれ評価すべきだと思います。しかし現状では、サルコペニア=加齢による筋肉量減少+筋力減少という定義がもっとも有力なようです。また加齢以外の要因による筋力低下は、ダイナペニアとは別にミオペニアと呼ぶべきでしょう。ややこしい…。ミオペニアも含めて用語とその定義の混乱が早く落ち着くことを期待しています。
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? Relationship between protein intake and dynapenia in postmenopausal women.
Filion ME, Barbat-Artigas S, Dupontgand S, Fex A, Karelis AD, Aubertin-Leheudre M.
J Nutr Health Aging. 2012 Jul;16(7):616-9.
・Abstractのみ
・タイトル:閉経後の女性における蛋白質摂取とダイナペニアとの関係
・内容:若林先生のブログをご参照ください(_ _。)
・感想:母ちゃんに「タンパク質とりな〜」ってメールでもしよーかな。。。
(以下、引用)
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リサーチクエスチョンは以下の通りです。
P:閉経後の虚弱でない50-75歳の女性で
E:蛋白摂取量が多いと
C:蛋白摂取量が少ない場合と比較して
O:ダイナペニアを認めることが多い
D:横断研究
抄録しか読んでいないので詳細不明ですが、ダイナペニアをtype I とtype IIに分類しています。おそらく筋力(今回は握力)が若年女性の平均値より1標準偏差以下の場合をtype I、2標準偏差以下の場合をtype II、としているのではないかと推測します。
結果ですが、ダイナペニアでない群とtype IIダイナペニア、およびtype Iダイナペニアとtype IIダイナペニアの間に、有意な蛋白摂取量の差を認めました。一方、ダイナペニアをkg/BWもしくはkg/LBMで判断した場合、3群間で除脂肪体重の量に有意差を認めませんでした。以上より、蛋白摂取量とtype IIダイナペニアには有意な関連があるという結論です。
横断研究ですので因果関係は不明ですし、72名と少人数かつ女性限定ですが、蛋白摂取量が多いほうがダイナペニアの予防に有利な可能性があります。今後の研究次第ですが。
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? Evolving concepts on the age-related changes in "muscle quality".
Russ DW, Gregg-Cornell K, Conaway MJ, Clark BC.
J Cachexia Sarcopenia Muscle. 2012 Jun;3(2):95-109. doi: 10.1007/s13539-011-0054-2. Epub 2012 Feb 3
・全文PDFあり。
・タイトル:加齢に伴う「筋肉の質」の変化の概念を進化させる(?)
・内容:ざーーーーっとみたところ、?の内容と似た感じです。はいm(_ _ )m
・感想:なので省略ですm(_ _ )mm(_ _ )m
→若林先生ブログ記事あり(2012年2月7日)
(以下、引用)
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muscle qualityとは、筋肉の質と私は訳していますが、筋肉量あたりの筋力の強さの意味です。muscle qualityが高い方は少ない筋肉量でも筋力が比較的強く、muscle qualityが低い方は筋肉量があっても筋力が比較的弱いです。
筋肉量と筋力に関連はありますが、筋力は筋肉量だけで決まるのではなく神経学的な影響も受けます。この論文では神経筋系の加齢による変化を脳から筋線維のレベルまで検討しています。神経学的な面がダイナペニア(加齢による筋力低下)に影響を与えている可能性があります。
ダイナペニアという言葉もありますが、サルコペニアの定義の主流は、加齢による筋肉量低下+筋力低下もしくは身体機能低下となっています。そうするとこのサルコペニアの定義に中にダイナペニアは含まれます。○○ペニアという言葉がこれ以上増えないことを祈ります…。
筋力低下もしくは身体機能低下となっています。そうするとこのサルコペニアの定義に中にダイナペニアは含まれます。○○ペニアという言葉がこれ以上増えないことを祈ります…。
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Clark BC, Manini TM.
Nutrition. 2012 May;28(5):495-503. doi: 10.1016/j.nut.2011.12.002. Review.
・pumed上ではabstractのみ。
・タイトル:ダイナペはニアとはなんぞや。
・内容:これも?のことをアブストラクトでは言ってますね(;^_^A
筋肉量はあまり重要ではなく(?)、加齢に伴う神経系の構造や骨格筋自体の障害・変化に起因する筋力低下が重要(?)だと。
・感想:なのでこれもまた省略m(_ _ )m
→若林先生ブログ記事あり(2012年4月3日)
(以下、引用)
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ダイナペニアとは何かというレビュー論文を紹介します。
Brian C. Clark, Todd M. Manini.
What is dynapenia? Nutrition Volume 28, Issue 5, May 2012, Pages 495–503
下記のHPで全文見れるかもしれません。
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0899900711004680
ダイナは力・筋力、ペニアは減少を意味するギリシャ語ですので、直訳すれば筋力減少症となります。ダイナペニアと呼ぶ場合、加齢に関連した筋力低下で、神経筋疾患によるものは除外します。筋肉量減少=筋力低下ではなく、神経系の構造・機能や骨格筋の内的な力の発生による可能性があります。
図は左が体重減少例、右が体重増加例での筋肉量と筋力の経年変化の図です。筋肉量が増えても筋力は減っているので、サルコペニアとダイナペニアを別の概念として考えるべきではないかとしています。ただ、筋肉量が増えるほうが筋力低下が少ないことは事実です。
私はリハ栄養の立場として、広義のサルコペニアもしくはミオペニアの中に、筋力低下(つまりダイナペニア)も含むと考えています。このほうが臨床現場のリハや栄養管理で有益だからです。
栄養と筋力の関連としては、ビタミンD、ビタミンE、セレン、カロテノイド(カロテン、クリプトキサンチン、ルテイン、ゼアキサンチン、リコピン)が少ないと筋力が少ないという報告があります。カロテノイドとセレンの血中濃度は炎症(IL-6)と関連するという報告もあります。
ビタミンDと筋力の関連はもっとも研究されていますが、ビタミンD摂取で筋力が改善するかという最近の介入研究の結果はネガティブです。関連はあってもビタミンD単独で筋力を改善できるとは私は考えにくいです。改善できるのはあくまでビタミンD欠乏症時のみと思います。
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この辺で1日目はお開き。
どうでしたか? ダイナペニア祭り1st day。
内容としては、ダイナペニアで調べていくと、筋肉量には否定的というか重要視せず、やはり神経機構も含めた筋力が大事だという論点からのダイナペニア推しが多いのかなーなんて思いましたねー。そのへんは、セラピストさんには納得のいくところではないでしょうか。
いやーーーー、それにしても後半のまとめのだらけっぷりったらないっすね、まったく( ̄∩ ̄#
もっと気合いれろ!!!
はい、がんばります
てことで、こんな内容をあと2回書くので期待しないでください。。。
ありがとうございました〜〜〜。
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